トウガラシ大全
世界中で食されているトウガラシ。
紀元前7000年には既にメキシコで採取され料理に使われていたらしい。
第1章の冒頭にある、南アメリカから中央アメリカへ運んだのは鳥、哺乳類には食べられない辛さで種を守り、その辛さに鳥類は反応しない、という遺伝子の戦略を読んだ瞬間から、トウガラシワールドに引きずり込まれてしまう。
14世紀から15世紀にかけてのコロンブスに始まる大航海時代、ここでアメリカ大陸からヨーロッパに持ち込まれ、さらに世界中に広まり様々な地域の食文化にトウガラシが組み込まれて行く歴史が、この本の中では一番面白いことろ。
確かにトウガラシって、タイ、中国、韓国あたりのイメージが強くて、中央アメリカというよりはアジアの食材のイメージが強い。(タバスコはアメリカだけど、それは加工製品としてだし)
最初はヨーロッパ(の上流階級)にもたらされたのに、そこではあまり受け入れられずアジアで受け入れられた下りから、その後ヨーロッパでは、食材というよりも、激辛料理の大食い大会みたいな我慢大会が流行っている文化的な背景等々、とにかくトウガラシの刺激的な魅力満載の一冊です。
この本によると、塩や胡椒よりも世界中に広まり、食材としてのみならず、媚薬、武器、ドラッグ、鑑賞、魔除けと色々な用途で使われているものはないらしい。
そんなトウガラシワールドへようこそ。
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