「無理」の構造 ―この世の理不尽さを可視化する
非対称性と言うと、先ず思いつくのが「情報」だが、「知識」「思考」「言葉」「公平」「対等」と面白い話が続き、最後が見えている人と見えていない人で締め。
これらが、私たちの具体的な行動にどう影響を与えるか?
サブタイトルにある「理不尽さ」というのはちょっと違うが、自分がやろうとしていたことが、どんなに時間をかけても出来ないんだよ、ということを心底納得させてくれる。
今回のツボは、上流と下流の不可逆性。
時間の経過と共に変化していく会社や組織において、下流から上流に戻ることは出来ないと著者は断言する。
例えば、ベンチャー企業が成長して大企業になる時、個性、個人のスキル、理想、フラットな関係が要求されるベンチャーに対して、伝統的な企業は、組織の規律、仕組み、現実、階層関係が重視される。
これを下流から上流に上って行くことは不可能で、それをやりたかったら新しい川を作って上流からやり直すしかないと。
大企業が社内ベンチャーを始めたり、デジタライゼーションを推進する新会社を作ったりするのって、社内のルールやカルチャーに縛られないように自由な発想で動けるようにと捉えていたけど、上流・下流の対比で捉えるとより深い部分で理解できる。
下流の中で組織を変えて行くには、何が変えられるモノで何が変えられないモノかが、おぼろげながら見えてきた。
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