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2018年7月23日 (月)

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

AI vs. 教科書が読めない子どもたち


前半は一般的なAIの話だが、AIに出来ること・出来ないことが、有名な東ロボくんの研究開発を通して得られた知見と事実に基づくものであり、具体的でわかり易い。


ただ、この本で本当に面白いのは後半。
中学生・高校生に実施した、全国読解力調査。文章の係り受けや同義文判定、イメージ同定、具体例同定といった「基礎読解力」を調査するもの。
国立情報学研究所の調査結果として、講演会の資料等をネットで見たことはあったのだが、詳細な分析結果は初めて見た。


簡単に言うと、設問の文章の中に答えが書いてあるような問題でも、その内容を正確に把握し答えることが出来ないという事実。
・・・とあるサイトで見つけた問題をやった際は、実は私も一問間違えて、如何にちゃんと文章を読んでいないのかとショックを受けた。


会社でも同じようなことが起きている。
手順書通りにやればいい作業を、なぜか途中のプロセスを飛ばしていたり、条件分岐があるにも関わらず、全ての手順を頭から実施したり。。。


この本の出版時点では、まだ原因解明は途中とのことで、根本原因や対策については具体的に触れられていないのだが、ある一定の割合では、基礎読解力に問題がある人間がいるという前提で、どうやって仕事の品質を保証するかを考えるいいきっかけとなった良書です。

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