金融デジタルイノベーションの時代
「デジタル・トランスフォーメーション」とは、ITが浸透することによって、人々の生活をあらゆる面で変化させるということ。
金融の世界でこれを実現するには、経営戦略、組織、人材、開発プロセス全体を変えていく必要がある。
金融のビジネスモデルを、よりデジタルなモデルに変革することがイノベーション。
この本には、このことに気付いて、危機感を持って、経営だけではなく、システム開発のプロセスや、アーキテクチャそのものを変えた素晴らしい先行事例がたくさん出てきます。
共通するのは、金融を取り巻く環境変化に気付いて、このまま何もしない=衰退を意味する、ということを理解し、「実行」したということ。
最近、自分たちはソフトウェア企業になる、とCEOが宣言する金融機関が出始めているが、まさに一番わかり易い例だと思う。
このまま FinTechベンチャーがいいサービスを出し続けると、日本の金融機関は確実に顧客接点を失い、後ろから旧態然たる商品・サービスを提供するだけの立場に成り下がる。
未だに名寄せされない業務・システム、お店での長い待ち時間に手書きの提出資料、高い手数料。
どれもこれもマイナス要因でしかない。
日本の経営者って、こういう本を読んだりしないのか?とも思ってしまう。
最後に著者が言っている言葉が身に染みる。
・銀行が異業種には真似のできないようなやり方で顧客に付加価値を提供できないのか?
・付加価値の対象には、時間的な価値、空間的な価値、社会的な価値等の提供が含まれる
・銀行の本質的な機能や役割をデジタルサービスとして提供する
・それが銀行ビジネスのデジタル・トランスフォーメーションだ。
日頃考えていることが間違ってないと確信し、いい刺激を受ける一冊です。
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