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2017年12月24日 (日)

アフター・ビットコイン

アフター・ビットコイン: 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者

仮想通貨の将来については懐疑的な見方をしている一方で、ブロックチェーンには相当な期待をしていることを、具体的な数字と事例をもって示していてわかり易い。(私も同意見)


2017年10月に発行された本だが、当時は中国人がマイニングして、中国人が売買して、中国人が保有するものだっがビットコインが、政府による規制の動きもあり、現在では遅れてきた日本人が投機目的で買い漁っているのも、こ仮想通貨の世界の動きの速さを示すいい事例だと思う。


仮想通貨の本源的価値はゼロである、という説明も面白い。
確かに将来キャッシュフローを割り引いて現在価値を算出しようとしても、利子も配当もない仮想通貨はゼロになってしまう。


いずれにせよ、バブルははじけてみないとバブルとはわからないので、ここ1〜2年の間に起こることには注視です。




そしてもう一つのテーマであるブロックチェーン。
こちらは、その可能性の大きさを色々な視点からのアプローチで示しているのだが、著者が考える金融機関への適用は以下の方向性。


①参加者の範囲を絞り込むクローズド型
②合意形成はPBFT系のアルゴリズムや当事者間による承認
③必要に応じてノード間で役割分担
④トランザクションの承認には報酬を与えない
⑤当事者以外には取引が見えないよう制限をかける


金融機関での適用方法を考えていくと、自ずとこういった方向性になるのだが、整理の仕方として非常に参考になる。
他にも、中央銀行がデジタル通貨を発行しようとするとどうなるか?という思考実験は面白い。
マイナス金利に代表されるような、金融政策への適用に始まり、当座預金、証券決済等への適用やそこでのブロックチェーンの使い方は、他の業務への適用を考える上でも参考になる。




今年読んだ仮想通貨やブロックチェーン関連の書籍の中では、かなりお薦めな一冊です。


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