家康、江戸を建てる
面白い!
天正18年(1590年)、徳川家康が江戸に入府してから行った普請の物語。
江戸湾に流れ込んでいた利根川を鹿島灘に流れを変える大事業。
日本橋金座(今の日本銀行本店)での金貨鋳造。
井の頭池から江戸市街への上水工事。
伊豆で切り出した石での江戸城の石垣作り
白壁での江戸城天守建築
ぞれぞれの物語毎に、伊奈忠次・忠政親子等、実在した人物達が活き活きと描かれている。
この本に書かれている内容は、どれもこれも「知識」としては知っているもの。
ただ、いつ頃に誰が何をどこに作ったか、ということを知っているだけで、その時代に行われていた筈の人々の営みについての想像を全く欠いたものだったと反省。
例えば上水工事。
JR水道橋の駅近くに、「神田上水掛樋跡」と書かれた石碑があるのだが、「ここに外堀の上を通る、神田上水の水道管があったのね」ぐらいの感想で写真撮ってお終い。
そこには、外堀の水に混ざらないようにどうやって上水を市街地に運び込むかと、考えに考え抜いた人がいたり、水が流れていく角度と水の量をどう調整するかに苦心したりといった、人の想いや情熱があったということに対する想像力が欠如している。
こういうことにも思いを馳せれる人が、本当の歴史好きであり、教養があるということなんだよね。
この本を読んだ直後の皇居ランでは、じっくりと石垣を眺め、触り、「これが算木積みか〜」と楽しみました。
まだまだ勉強が足りません。
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