具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ
「抽象」という概念をここまでわかり易く書いてある本に出会ったことがない。
何がわかり易いかって、「抽象」を色々な「具体」的な例で示してくれているので、誰にでもわかり易い内容になっているのだ。
抽象と具体(普通は具象)というのは、相対的なものであり、より抽象度が高いか低いかという違いなのだが、この抽象度の説明に、数、言葉、精神と物理、構造と関係、質と量、アナロジー、階層といった、普段身近に接することのある具体例で示してくれている。
私自身も、数学や哲学の世界まで抽象度が高くなってしまうと、その思考回路がよくわからなかったり、ものすごい抽象度の高い人に出会ったりすると、何を言ってんだかさっぱりわからないことがあるのだが、この本は、その頃合いがちょうどいいという感じ。
ビジネスの世界でも、たまに「朝令暮改」などという表現が使われたりするが、実はこれは、上司の抽象度で考えると何も本質的なことは変わっていないのだが、部下の立場で(より具体的な世界で)考えると、言ってることがコロコロ変わる!などという例も出てきて面白い。
仕事をする上では、必須だと思っている「抽象化」や「具体化」のスキル。
こんなわかり易い本があるのですね。
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