FinTech入門
リーマンショック以降、いまだに続く国際金融規制対応。
FinTechも本質的にはこれと同じだと思った。
バーゼルⅢでの流動性規制や、店頭デリバティブ規制の導入、既存のマーケットリスクやクレジットリスクの規制強化といった、終わることを知らない規制対応。
各金融機関がこれらに対応し続けるのは、ゲームの参加者であり続けるため。
「金融」というゲームから降りないためには、対応するしかないのである。
「デリバティブなんかや〜めたっ!」って言えれば楽になるのだが、それは「金融」というゲームからの脱落を意味するので、間違ってもそんな選択肢はない。
システムを作る目的には、収益拡大、経費削減、セキュリティ強化、基盤更改等々、色々なものがあるが、前述の規制対応もその一つ。
それをやれば儲かるとか儲からないとかの次元の話ではない。
FinTechもそれと同じ。
スマホの便利さや、コンビニ等の色々な小売業での決済等の簡単さに慣れてしまったこれからの世代は、近くに店舗やATMがあるかどうかで銀行を選ぶなんてことはない。
思いついた時に、その場でスグに出来るかどうか?だ。
他のサービスとの連携や、使いやすいユーザーインターフェイス、圧倒的な便利さや簡単さ、そういったものを包含したユーザーエクスペリエンスが銀行を選ぶ時代になった時、そこに乗り遅れた銀行は、ゲームから降りるしかない。
当然、全てが非対面になるなんてことはなく、対面を必要とする一定のサービス内容や顧客層は残ると思うので、リアルな世界はその世界でのサービス強化を続ける必要はあるが、でもそれだけじゃきっと生き残れない。
そんなことを考えながらの一冊でした。
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