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2016年1月31日 (日)

人類が消えた世界

人類が消えた世界



地球上から人類だけがいなくなったら、その後の世界はどうなるのか?


700万年前に人類が誕生してから、我々人類がどう地球を変えてきたかを探求することによって、人類が消滅した後の未来を描こうというアプローチ。


例えば、アメリカ大陸に人類が到達してから、たった1000年で滅亡してしまった、ゾウやナマケモノのような超大型哺乳類は戻ってくるのか?


人が常にメンテナンスをしないと崩壊してしまうマンハッタンはどうなるのか?
といったテーマで、生物、化学、地理、建築等、あらゆる観点からの考察は、正直私にはちょっと難しすぎたが、非常に興味深い内容となっている。




そんな中でも特に興味を惹くのが、プラスチックと放射能。
ポリ塩化ビニールやポリスチレンのような人工的なポリマーが作られてから、まだたった50年ちょっとの間に大量の製品が世界中で産み出されて廃棄されている。プラスチック製品以外にも、化粧品のように「ゴミ」とは意識せず最終的には海へ流されていくものもある。
これらのプラスチックは、誕生から50年、ほとんど減ることもなく存在していて、この先も、地質学的年代で、10万年、100万年後とかに、プラスチックを分解できる微生物でもあらわれない限り、永遠に残り続けるのだ。


放射能については、その途方も無く長い半減期。
人類が消滅した後には、人間がなにも安全管理をしない状況になるので、世界中の原子力発電所で福島と同じことが発生する。


既にチェルノブイリに戻ってきている人間や動植物が、この先、遺伝子レベルでどうなるかはわからないが、想像も出来ないぐらい長い時間、この地球に負荷をかけ続けることになるだろう。


人類を養うための食料、便利な生活を支える工業製品やエネルギー、ここ5000年ぐらいの間に築き上げた建築物、色々な負荷がなくなった時に、地球はどこまで元の姿に戻るのか?


壮大な未来予測の世界を楽しみました。


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