美味礼讃
最近読んだ本の中ではダントツに面白い。
これは、美味しいものを作ったり食べたりするのが大好きな人にはもちろんのこと、自己啓発本としても十分に面白い。
辻調理師専門学校を作って、日本にフランス料理を広めた第一人者、辻静雄の物語。
主人公の熱い情熱が淡々とした文章で綴られるその手法に、どんどんのめり込んで、最後は読み終わるのが惜しいほど。
1960年代から1970年代にかけて、まだ日本にちゃんとしたフランス料理を作れるシェフがいなかった時代に、フランスの三つ星レストランを食べ歩いて、その舌で料理の出来上がりを記憶していくシーンを読んでいると、こんな雑な食生活なんかしてないで、本当に美味しいもの、ちゃんと作ったものを食べたいと思ってしまう。
ワインもそう。
安ワインをガブガブ飲んでないで、美味しいワインを丁寧に味わいたいなと思った。
それから、主人公を取り巻くフランスの一流シェフ達のなんて素晴らしいこと。
この時代、まだ日本は敗戦から20年もたっておらず、欧米の人達からは全く認められていなかったと思うが、そんな時代に、日本に、日本人にフランス料理を伝えることに真摯に取り組む姿勢には驚いた。
人としての器の大きさが違う。
なんて自分は小さいことにチマチマと拘ってんだ?
とにかく、美味しいもの好きの人には必読の一冊です。
次から次へと出てくる食材や調理法を読んでいるだけでも楽しいですので、是非ご一読を♪
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