システムインテグレーション崩壊
ここで言うシステムインテグレーションとは、「工数積算を前提としたビジネス全般」という定義。
それが崩壊へ向かう理由として、著者は次の3つを挙げる。
・構造的不幸(エンドユーザーとSI事業者のゴールの不一致と相互不信)
・テクノロジーの変化(求められるスキルの変化)
・ユーザーニーズの変化(工数積算ビジネスの減少)
問題提起としては、非常によくわかる。
エンドユーザーから言われたことを仕様化するだけの情報システム部門と、それを実装するだけのSI事業者がいる一方で、ちゃんとしたSI事業者の創造性や業務遂行能力を加味しない、工数☓単価の世界。
SI事業者の、収益構造、経営資源の配賦、業績評価の問題についてもよくわかる。
更には、SI事業者だけではなく、ユーザー企業の情報システム部門が持つ色々な問題・課題も顕在化してきていると思う。
この本は、問題提起としては非常に面白く、ここに書かれていることをトリガーに色々なことを考えてしまう。
ただ、その対処法はちょっと物足りないというか、個々の解決策の深堀りがないので、なんの参考にもならない。
内容的には薄いし、2時間程度で読めてしまう分量だけど、現状を変えなければと思っている人には、いいきっかけになる本だと思います。
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