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2012年3月12日 (月)

最後の将軍―徳川慶喜

最後の将軍―徳川慶喜 (文春文庫)

あとがきで著者が「いつかは書こうと思っていた」と語っているが、同じように「いつかは読もうと思っていた」徳川慶喜。

幕末の物語は、どうしても討幕側が主役になるので、慶喜については、その時々の幕府や朝廷の状況を説明する中にちょこっと出てくるだけだったり、幕府側がいかに弱体化しているかの象徴のように使われたりと、その内容は決していいものではない。

でも、300年続いた時代の幕を下ろして、自分達の歴史を自分達で閉じる人というのはどういう人間なのか、前からずっと興味を持っていた。しかも周りには全く協力者がいなかったであろうことは、この時代の状況や、慶喜の出自を考えれば容易に想像がつくこと。

自分で戦略(というか策謀)を考え、自分だけがそれを支持して、自分一人で実行するこの力。
この時代を生きた人達の中で、実は一番能力があって、しかもそれを思いっきり使い切った人ではないかと思う。

慶喜だからこそ大政奉還が実現して、その後の江戸城無血開城にもつながり、明治維新という革命を成し遂げることができたのではないか?そんな風にも感じてしまうほど、魅力的な人がまた見つかりました。

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