ビジネスコンポーネントファクトリ
この本をむさぼるように読んでいたのは、もう何年前のことだろう?
多分、2002年から2003年にかけての頃だろうか?
・そもそもコンポーネントってなんだ?
・その適切な粒度は?
・コンテキストに応じて、どうコンポーネントを切り出すんだ?
・どういう単位でサービスを括るか?
・どうやって疎結合を実現するか?
こんなことを毎日毎日ひたすら考えているような頃だった。
そんな時に、この本のまえがきに「徹頭徹尾、コンポーネントについての本である。」という記述を見つけて、このクソ高い本を買ってしまったのだった。
当時担当していたプロジェクトで、アーキテクチャ設計に悩むと、いつもこの本を見て、なにかヒントになるような記述がないか探したものだった。
この本のいいところは、システムの設計や実装時の”コンポーネント”だけではなく、ビジネスレベルの”コンポーネント”から、技術アーキテクチャまで、本当に広い範囲で、それぞれのコンテキストに応じたコンポーネントを取り扱っていて、プロジェクトが進んでいっても、どのフェーズでもなにかしら参考になるようなことが書かれていること。
今でこそ、SOAが流行ったおかげで、サービスとかコンポーネントという言葉が普通に使われるようになったが、当時は、その概念とか本質が今一つ掴めずに本当に苦労した・・・
結局、いつの間かプロジェクトマネジメントやラインマネジメントの仕事にシフトしてしまったので、システムの設計に直接かかわることはなくなってしまったが、当時この本を参考にしながら、とにかく色々なことを考え、悩んだ経験は今でも違う領域で十分に活きている。
例えば、プロジェクト設計にしてもテスト設計にしても、結局はどういう単位・粒度で、要素(=コンポーネント)を括って、その要素間のインターフェイスをどうするか?ということが最重要だと思っている。
チーム、アクティビティ、テストカテゴリー、ドキュメント、プロダクト、、、人。
どれをとっても、それぞれのドメインにおけるコンポーネントであり、その責務とコンポーネント間のインターフェイスをどう定義するかが腕の見せ所。
この本で得た知識を、システムの設計で実践して、それがプロジェクトやテスト、移行の設計につながって、、、と考えると、この10年弱の仕事の中で、これほど、そのベース部分を作ってくれた本はない。
忘れられない一冊です。
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