ネーミングの掟と極意
日頃、システム開発の仕事をしていて、要件定義書や設計書、テスト計画書といった成果物をレビューすることがよくあるのだが、そこで使われる文章や言葉のヒドさにイライラしている。
主語や目的語がない文章、「~をチェックする」「~が正しいことを確認する」といったような、具体的な内容が全く把握できない曖昧な表現。
それに加えて、会話に中に出てくる非常に狭いコンテキストでしか理解できない数々の略語と、その略語を平気で文章に使う無神経さ。(昔、アーキテクチャのことを「アーキ」と言ったり、文書に書くPMがいたが・・・)
レガシーシステムの保守なんかをすると、どう考えてもループバックチェックを通らない、意味不明なサブシステム名やプログラム名のオンパレードで、一体、当時の開発者達は、このネーミングで何を伝えたかったのだろう?と首をひねってしまう。
で、この本。
本のタイトルを見ただけで、「これだ!」と即アマゾンでクリックして、家に届いたら早速読んでみたら、ネーミングの重要性として、
①名前の良し悪しの影響は永久に残るからです。
②名前のチェックは誰でもすぐに始められるからです。
③名前には設計思想を若手に伝える教育効果があるからです。
とあるので、お~~~この本いいねぇ~と読み進めてしまった。
ただ、残念なのは第2章の「ネーミング道場乱取りタイム」。
ここで20ものレッスンを載せるのであれば、もう少し具体的な用語について、それを使う時の留意点なんかを著者なりの視点でまとめてくれていると、私個人としてはもっと面白く読めたと思う。
例えば、前述の「チェック」や「編集」「管理」「制御」「処理」などと言う、システム開発をしているとそこら中で目にする一方で、使い方を誤ると全然違う内容のイメージを持たれてしまうような言葉とか。
著者の方も、まだ続編を出す用意があるようなので、期待して待ちましょう。
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