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2007年12月12日 (水)

花伝書(風姿花伝)


観阿弥・世阿弥による芸術論であるこの花伝書。内容的には人間の成長について論じた立派な自己啓発書であると感じた。(だからカテゴリーも自己啓発にしている)

申楽の芸を極めるための、年齢ごとの注意点から始まるのだが、その内容は芸の道にとどまらず、人としての成長にも十分に通用する内容である。

例えば、「20代は一生の芸能が成るか成らぬかが決まる最初の時期。」「30代の能は盛りの絶頂。」「40代からは能のやり方を変えなければならぬ。」と、その年齢の頃の芸の完成度合いと、何に気をつけなければならないかが謳われているが、その内容はそのまま会社に入ってからの何十年かにも当てはまる内容なのである。

また、別紙口伝で謳われている「花をさとること」というのも、人として、色々な側面を持つこと、色々な考えやスキルを持つことを説いているようで、直接的に書かれている芸のこととは全然関係ないことを考えながら読んでしまった。

流行の新書やビジネス書もいいですが、学校の授業で習ったきりになっている古典にも触れてみようかな。


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