成功する要求仕様 失敗する要求仕様
何度やっても要求の定義は難しい。要望なのか個人的な趣味なのかわからないユーザの声、プロセスに拘るメソドロジスト、なんでもかんでもユースケースで表現したがるUML信奉者、一意に解釈できない膨大な要求リスト、形式基準にばかり拘る品質評価部門、見積もりにしか興味がないコスト管理部門、、、複数のユーザを相手に、しかもマルチベンダーなんかでプロジェクトを立ち上げると、まぁ大変なこと大変なこと。
未だに「こうやれば上手く行く!」という要求の仕様化やその後に続く要求管理を見出せないまま、また次のプロジェクトが始まる・・・
そんな悩みを持っているSEにとって、この本にはその解決の一助となるヒントがたくさん詰まっている。
要求マネジメントを、「要求の導き出し」「要求のトリアージ」「要求の仕様化」の3ステップに分け、著者の経験に基づく、具体的で説得力のある手法が展開されている。
特に「要求の仕様化」についての章は参考になる。
”ちょうど十分”な要求の仕様化として、自然言語の採用、要求のリスト、適材適所でのモデルの使用といった具体的な手法や、正当であること、一貫性があること、達成可能であること、といった仕様の評価方法が紹介されていて、スグに実践可能な内容が盛りだくさんなのである。
効率的かつ有効な要求マネジメントを模索しているSEには必読の一冊です。
・・・ただ、最近流行りの新書みたいな邦題だけはいただけません。(2007/3/26)
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