2021年3月16日 (火)

歌川広重保永堂版 東海道五拾三次

歌川広重保永堂版 東海道五拾三次 (謎解き浮世絵叢書)


YouTubeで、東海道五十三次を自転車で行くというコンテンツをたまたま見たらこれが面白い。
東海道とか中山道を20kmぐらいずつ歩いて制覇するというのは聞いたことがあるが、自転車で一週間ぐらいかけて行くというのは、車と違って途中途中色々なところが見れるて楽しい。


ということでこの本を買ってみた。


広重の『名所江戸百景』は好きでよく眺めるのだが、『東海道五十三次』もいいですね〜
解説も、刷りの技法とかではなく、そこに描かれている人々の営みや構図の意味を中心に書かれており、絵だけではなく文章も読んでて楽しいです。
数は少ないけど、行ったことのある場所はその時に見た風景を思い出しながら、行ったことのない場所は、冒頭のYouTubeで見た映像を思い出しながら、日本橋から三条大橋まで楽しいタイムスリップを満喫しました。

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2021年2月25日 (木)

世界の「住所」の物語

世界の「住所」の物語:通りに刻まれた起源・政治・人種・階層の歴史


昔、住所を扱う仕事をしていたことがある。
それは、郵便物の送付先としての住所だった。(だから郵便番号と密接に絡んだ複雑な体系で苦労した)


この本の中に出てくるのは、疫病の広がりや感染源を把握するための住所、火事や事件の際に駆けつけるための住所、その他、徴税や逮捕のように市民が目的地を探すためではなく、政府が市民を見つけるための住所といった、さまざまな目的の住所。


そして最近では住所がないと「本人」と認められない。
住所が、ただの通り名称や家屋番号ではなくアイデンティになっていて、住所がないと素性の確かな人間だと示すことができず、色々な手続きをすることも出来なくなっている。


興味深かったのは、日本の住所は世界の中でも特異で、「通り」ではなく「街区」を基本単位としているということ。
言われてみればそうなんだけど、考えたこともなかった。
その違いに伴う考察は日本人として非常に面白い。(だから京都の住所はわかりずらいのか?と思ったりもした)




住所の歴史の中では、住所をつけられることに抵抗した歴史もあれば、住所が欲しくて戦った歴史もある。
普段は何も気にせず当たり前のように使っている住所に、色々な国や地域、人種によって色々な利用目的がある。
考えたこともないような世界に連れて行ってくれる一冊です。

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2021年1月 5日 (火)

国道16号線: 「日本」を創った道

国道16号線: 「日本」を創った道


横須賀からスタートして、横浜、町田、八王子、福生、入間、狭山、川越、さいたま、春日部、野田、柏、千葉、市原、木更津、富津。
東京湾をぐるっと囲むこの道、16号の近くに住んだことはないけど、その一部はどこかしらで通ったことがある。(イメージ的にはトラックばかり走っているような・・・)


そんな道が通る街々の歴史や文化を色々なテーマを通じて紹介しているのだが、これが意外と面白い。
郊外の住宅地、大型ショッピングセンター、米軍基地、音楽、養蚕といった近代の歴史に加えて、地質的な見方や江戸創生前後の歴史まで、幅広く扱っていて、次から次へと出てくる話がどれも面白い。


特に、八王子のユーミンを中心とした、戦後から現代に続く音楽の発展はその頃の情景が目に浮かぶようで面白い。


昔からの土地に住んでて、その土地の歴史や文化を調べたり、川や道を辿ったりするのって楽しいだろうなと、この本を読んでて思った。
明治以降の埋立地に住んでると、街に歴史がないことがちょっと寂しかったりする。

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2021年1月 4日 (月)

NO RULES

NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX


この本の楽しみ方は2通りあると思う。
1つは会社の制度や文化を作る上での参考として。
もう1つは、自分が1ユーザーとして楽しんでいるNETFLIXがどうやってこんなに面白いコンテンツを次から次へと提供しているのかの興味を満たすものとして。


多分、大半の人が最終的には後者になってしまうと思う。


例えばコントロールとコンテキストの話。
優秀ならコンテキストを共有して判断を任せる。ダメな奴はコントロールしてミスを排除する。
「ルールと手順」vs「自由と責任」も同様の話。


他にも経費承認が不要とか、上司・同僚へのフィードバックとか、面白い話が盛り沢山なのだが、そのベースにあるのは能力密度が高いというもの。
優秀な人間しか採用しない。
社内の能力密度を高める、それを維持するということが全てのベースになっているので、普通の会社では到底真似が出来ない。


最初のうちは「NETFLIXすげーすげー」と読んでいたのが、途中から「これはうちの会社では無理だな」に変わって、最後は「だからNETFLIXにはまっちゃうんだ〜」となります。


ヘビーユーザーの方は是非お読み下さい。

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2020年11月27日 (金)

データ指向アプリケーションデザイン

データ指向アプリケーションデザイン ―信頼性、拡張性、保守性の高い分散システム設計の原理


こういう技術書読むのっていつ以来だろう?
データに関する散らかった知識を集約したりアップデートするのに、このように一冊にまとまった本は本当に助かります。


システムの信頼性、スケーラビリティ、メンテナンス性の観点から、データを扱う上での課題、考慮点、解決策(とその限界)が具体的な内容を元に整理されている。(時にはDBMS毎の説明もある)


トランザクションを扱うシステムや、DataLakeのようなデータ基盤でも、データの処理がポイントとなるシステムを構築する開発者には必読の一冊です。

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2020年11月26日 (木)

コーポレート・トランスフォーメーション

コーポレート・トランスフォーメーション 日本の会社をつくり変える


『シン・ニホン』と同じように、日本を少しでもよくしよう、次の世代に明るい未来を残そうという、元気が出る系の一冊。
ただ、こちらはそれを企業にフォーカスした内容になっている。


同質的・連続的な組織集団による長期持続的な改良・改善を積み重ねることが得意だった日本企業が、その逆の相対的・流動的な時代をどう勝ち残っていくかの具体的な提言。




以前は、この手の本から学んだことを自分の仕事にどう活かすかの視点で読んでいたのだが、どちらかと言うと、これからの人生の選択肢にはどういうものがあるかという視点で読んでいる自分に気付いた。


ローカル経済圏を支える中小企業を活性化させる仕事なんて面白そう。


本を読む目的に一つに、自分を成長させるというものもあるけど、それを活かす場は会社だけじゃないなと。

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2020年10月20日 (火)

1984年

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)


政治には興味がないし、ブログやSNSで政治的なことを書くことはないのだが、この本を読んでみようと思ったのは、コロナ禍での色々な報道を見てて、何人かの政治家に全体主義的な匂いを感じたから。


あまりにも有名な本なので、ここで内容に触れるつもりはないが、一番衝撃を受けたのは公用語からどんどん言葉を減らして行くというくだり。
「良い」の反意語は「悪い」だが、この「悪い」という言葉をなくして「非良」にする。
「素晴らしい」は「超良」とか、言葉をなくしていくとその概念がなくなり、前述の例で言うと、人から「悪い」と言う概念がなくなる。
それは思考を停止させていくという国家戦略。


言葉をたくさん知っているということは、それだけ広く深い思考が出来るということ。
頭の中で何かを考える時、人は言葉を使って考える。


洗脳や拷問のように直接的な手段で思考停止にしていくのはわかり易いが、言葉をなくしていくというのはすごい。




最近、「忖度」や「あざとい」という言葉をよく見聞きするが、これは逆のケース。
ぼんやりとしたイメージでしか持っていなかった概念が、それを表現する言葉を持つことによって、明確に理解でき使うことが出来るようになる。
「忖度」なんて、一度知ってしまったらそれ以外の言葉ではもう考えられない。


考えるためには語彙力が必要だ。

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2020年8月 6日 (木)

美味しい進化: 食べ物と人類はどう進化してきたか

美味しい進化: 食べ物と人類はどう進化してきたか


本のタイトルから、食べ物の歴史についての軽めの本だろうと気楽に読み始めたらとんでもない。
ちゃんとした科学の本で、遺伝工学、生物学、化学等、薄っぺらな知識しかない私には全てを理解するなんて到底無理な一冊だった。


ヒトがはじめて料理をした150万年前のホモ・エレクトゥスからの人類の進化(嗅覚や味覚)や家畜の歴史、それと並行して小麦粉等の穀物栽培の歴史、加えてチーズ、ワインといった人工的な食べ物の話。


食べることも飲むことも料理をすることも好きな私にはどれも面白いテーマで、それをダーウィンの進化論と重ね合わせて行くストーリーは知的好奇心をくすぐるのだが、いかんせん難しい(笑)


全然軽い本ではなく、ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』やハラリの『サピエンス全史』にも通ずるような読み応えのある一冊です。

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リモートワークの達人

リモートワークの達人 (ハヤカワ文庫NF)


コロナ 禍で流行りに乗っかろうと出てくる前の本を探して見つけたもの。
2014年に出版されたものを、改題、文庫化して2020年7月に出版。


新型コロナにより、職場のスプリット運営、ラッシュ時間帯を避けた時差勤務等が始まって、これを書いている2020年8月中旬では早半年。
徐々に環境が整ってきたことに伴い、在宅勤務も普通の勤務形態になってきた。


とは言っても私が勤める会社では、ネットワーク容量やセキュリティ対応の問題により、まだまだストレスなく仕事が出来る環境にはほど遠い状況。
世の中的にもそんな会社は多いのではないだろうか。


そんな中で読んだこの本は、環境やツールの整備だけではなく、マインドを変えることの重要性をあらためて教えてくれた。
オフショアやASPサービスのように、プロジェクトやチーム単位の成果物で進捗や品質を見るだけではなく、社内では個々人の成果をアピールする機会をつくることの必要性。
意識的にメール、インスタントメッセージ、電話を使い分けること。。。私は質問したい相手が目の前にいないなんて考えられない!!という旧タイプ(笑)


特に、リモートワークを少数派にしない、というのは色々を考えさせられた。
仕事をしていても、出社しているメンバーだけで話を進めてしまい、在宅勤務メンバーを置き去りにしてしまったことがあるし、逆に、出社メンバーに問合せ等の負担が集中しているという、逆のパターンもある。
これを以下に並列にするか?


今は「密」の回避を目的にある程度の出社率コントロールをしているが、コロナ禍が去った後は、「どちらが効果的、効率的に働けるか」で出社か在宅を選択出来るようにする。
新たな勤務形態の目標が明確になりました。

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2020年7月13日 (月)

雑談の一流、二流、三流

雑談の一流、二流、三流 (アスカビジネス)


どんなテーマでもそうだけど、「雑談」という普段は無意識にやっている行為を、こうやって分解して説明出来る能力ってすごいな〜と単純に感心。


毎年、100人前後の社員と面接をするのだが、そういうことを続けて行くと、結構話を聞いたり、質問にとっさに答えたりとかは上手くなって行くものだ。
ただ、どうにも上手く出来ないのが、上司の会食の同席。
相手が饒舌な方だと、相槌打ちながら聞いていればいいのだが、なんか話を盛り上げたり膨らませたりすることが出来ない。
・・・というのがこれを読んで理由がわかった。
相手に興味がないんだ(笑)


雑談のはじめ方、話の広げ方、聞き方とリアクション、雑談の盛り上げ方、相手の懐に入る方法、好印象の残し方、雑談がうまい人の心構えの7章で、それぞれ具体的に三流の人、二流の人、そして一流の人はどうするか?と続いて行くのだが、結構、私は二流だな?というものが多い。


そんな中で、おっ!と思ったのが以下。(備忘録です)


・一流は話させ上手を目指す
・一流は相手が話したくなるように質問をする
・一流は、普段使わないような一段上の表現を使って承認する
・一流は、全力で励ます
・一流は、一人質問をする
・一流は、唯一無二のキャラとして記憶に残す
・一流は、好奇心を満たそうとする
・一流は、イマジネーションで会話に自信をつける


意識して普段話してみよう。

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